全国中学選手権レスリング競技 出場前のコンディションニング
11月末に行われる『全国中学選手権レスリング競技』に出場される中学生の選手の試合前のコンディションニングです。
この選手は昨年の2年生の時も同大会に出場しており、準決勝で優勝した選手に接戦のうえ僅差のポイント差で惜しくも敗れてしまい、結果は3位でした。しかし、対戦相手の選手は3年生! 中学生の男子となると、子供の体つきから大人の体つきに変化していく真っ最中で、体力、筋力、経験値、全てにおいて1年のビハインドはとても大きい中での3位は立派だと思います。
でもこのような全国レベルで戦っている選手にとっては階級が同じである以上、1年先輩だろうが、後輩であろうが関係ないのです。『負けは、負け!』なのです。よく有名なアスリートが『2位も最下位も一緒!』と言っていたのを皆さんもお聞きした事があるかと思いますが、この選手達はそういうレベルで日々、練習に挑み、トレーニングを欠かさず行っています。
中学3年生になり昨年同様、今年も当然、愛知県レスリング選手権大会で優勝し、愛知県代表としてこの大会に出場します。
当院ではこの選手を中学1年生頃から診ており、最初に診た時は中学1年生にして毎日の練習、トレーニングによりボロボロの体で、筋肉の張りが強く、当然のごとく柔軟性にも欠け、いつケガしてもおかしくない状態でした。今でも覚えていますが、下肢の筋肉の緊張が強すぎて、その影響がアキレス腱にまでおよび足関節の可動域が狭く正座すら出来ない状態でした。おそらくレスリングという競技特有の腰を落とした前傾姿勢で構える姿勢が、下肢とくに下腿(ふくらはぎ)からアキレス腱に緊張をもたらしてしまう結果だと思われます。
この1年間は特に私自身も彼にとって体の変化が大きい大事な年になる事は分かっていたので、来院時には不調、負傷部位の施術はもちろん、全身のコンディションニングには欠かさず行って、帰られる時には実際にいろいろ動いて頂き痛みや違和感が無い事を体感、納得して頂いておりました。この日も大会に出発する2日前で、ハードな練習、さらにウエイトの減量により身体は思い感じがしており、両脚の筋肉の張りも強く、腰から背中の筋肉も緊張してしまい十分な柔軟性を失っていました。私も大げさかもしれませんが、この1年間の集大成だと思いかなり入念に施術、コンディションニングさせて頂きました。
もちろん、優勝して欲しい気持ちはあるのですが、将来な有望選手である事には間違いないので大きなケガなく無事に帰って来てくれるのを祈っております。